2010年7月29日木曜日

夏の風物詩となにやかや

この青いものはなんだと思う?
そう、蚊帳(かや)だ。
ライネケが学生時代からの持ち物の一つだ。ライネケが高校を卒業して、東京だかに行く時、伊予ばあちゃんが、家財道具の中に入れたのだろう。日東紡のポリエステル製品のようだ。昔ながらの木綿あるいは麻製に比べるとはるかに軽量だし、木綿や麻を藍で染めたものは独特の匂いがあるけれど、これは無臭で過ごしやすい。

これは、4畳半用で、やや窮屈だし、うっかり手を蚊帳に接して寝ると、外から蚊に食われて腹立たしい思いをすることになる。彼らも生き抜くためには必死だしね。

電気を消すと、ほら、幻想的な雰囲気になる。こんな中で寝るなんて、楽しそうだろう。
網戸を閉めていても、蚊はどこからか侵入して来るし、自分が薫製になりそうなくらい、蚊取り線香を焚いても、それでも、蚊には食われる。部屋を閉め切って、冷房を入れっぱなしで寝ると、翌朝、体調が悪くなる。

だから、夏はこれに限るな。さまざまな思い出がある。

はるか昔、京都の長屋に暮らしていた頃、早朝、何だか妙な気配がして、蚊帳の中で目を覚ましたら、何か茶色のものが部屋の中に居るんだ。お互い目が合って、びっくりした。そいつも焦ったらしく、部屋の中でジタバタして、やっと屋外に逃げ出して行ったんだが、よく見るとイタチだった。しばらく、妙な匂いが後に残った。

滋賀医大の職員宿舎に住むようになった。Chicaが生まれて、はいはいをし出した頃の夏、蚊帳で寝ていた。そしたら、夜の電灯の下、Chicaが蚊帳の中の布団の上で、四つん這いになって、こちらを見ながら、ニコニコ笑うんだ。そして、頭を上下に振るのさ。最初は、かわいいもんだ、と思って見ていたんだが、ふと、まさか、「点頭てんかん」じゃないだろうな、と思った途端、ひどく心配になった。大学病院の小児科の先生に診てもらったら、心配ない、と言われたのだが、本当に不安だったよ。疑心暗鬼とはこのことだね。

毎日、子供の患者を診察していると、皮膚科以外の病気や異常を抱えてる子をよく見かける。今も、時々思うよ。キツネコ家には子供が四人もいる。そのうち一人や二人は難しい障害があったり、何か妙なことが起こっても不思議じゃないだろうって。我家の子ども達が、大体正常なら、それで充分だと思ってしまう。何か特別な才能に恵まれたり、えらく知能指数が高かったり、そんなことより、だいたい元気で大きくなってくれれば、ありがたい話じゃないか、と思うのさ。

ロナ、おまえも大体まともだよな。ちょっと、とろくさい気はするけど。






5 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

まあ、若干、頭振りすぎた感はありますよ。
色々とね。。。。。シェイクし過ぎて。
でも五体満足ならそれでよし。
自分で食べて行けるんだから、なおのこと良し。

chica

匿名 さんのコメント...

僕の家の網戸,7年目で既にしてボロボロ.
蚊の侵入を全く防げない.

ここ最近は,ヘリコプターのような奴が安眠妨害にやって来る.

これはいかんせん… Gama

匿名 さんのコメント...

<ライネケ>
>五体満足ならそれでよし。
>自分で食べて行けるんだから、なおのこと良し。
その通り。いろいろな意味で、感謝してるよ。

>ヘリコプターのような奴が安眠妨害にやって来る
#1)ヘリコプター発着所を作る。
#2)じっと、そばの草むらに潜んで待つ。
#3)例のヘリコプター型蚊が舞い降りて来て、着地、エンジンを切った瞬間、攻撃する。

#2)の待機の間に、やっぱり蚊に食われるけど、それは我慢するしかない。動くとばれるから。

keiko さんのコメント...

うちも3人の子供に恵まれ、幸いどの子も五体満足で、少々とろくさいのが1名おりましたが、それも成長したらとても優しい大人になってくれて、学校時代の成績だの卒業した学校だのとは関係なくよい人間になってくれたことに感謝しているこの頃です。

匿名 さんのコメント...

<ライネケ>
kurashiki-keikoさま、
暑中お見舞い申し上げます。

目から鼻に抜けなくても、気だてのよさと正義感が備わっている方が、はるかに好ましい人間像だと思います。

私自身は、メジャー級の頭脳、能力がなくて、マイナー級だと自覚しておりますので、子ども達がやはりメジャーリーグレベルでなくても、きちんと育ってくれていれば満足です。