2011年8月20日土曜日

遂に到達

28年前、Chicaが大きくなってきて、ネコパコがHarunoをみごもった。それまでは、キツネコ家の足はフォーインワンことCBと、ホンダの真っ赤な360ccの軽四輪。エアコンも無くて、マニュアルの、それはそれはちっぽけでかわいい車だった。ともても気に入っていたんだけど、さて、もう一人子供が増えるとなると、余りに窮屈だし、やっぱりエアコンくらい付いていないと夏は辛いよ、というわけで、我が家に1800ccのゴルフカブリオがやってきた。

このカブリオで、家族5人、あちこち、随分、遠くまで行った。と言っても、行く所は決まっていたような気がするけど。一体、四国一周を何回したことか。この狭い車に詰め込まれて、よく文句も言わずに連れ回されたものだね。

ゴルフカブリオっていうのは、フォルクスワーゲン社で作られたスタンダードのゴルフのボディーを、カルマンというドイツのコーチビルダーのもとに運んで、カルマン社の職人の手によってオープンモデルにしたものだ。

カルマン社は、ピニンファリーナとかベルトーネとかと並ぶ、いわゆるカロッツェリアの一つで、顧客やメーカーの注文に応じて、車のボディの架装をしたり、デザインを請け負ったり、試作車を作ったりする会社だ。上流社会が馬車に乗った時代のヨーロッパの文化の名残だね。ドイツのフォルクスワーゲンのシャーシにイタリアのギアがデザインして、カルマンが製作にあたったカルマンギアは有名だね。

そのカルマン社も2009年、倒産してしまった。時代の流れだな。

うちのカブリオは1983年型で、ジウジアーロがデザインを担当した初代モデルの派生型だ。ゴルフカブリオは、ゴルフが代替わりするごとに2代目、3代目となったが、カルマンで架装されたのは、この初代のものだけだ。だから、今はなくなってしまったKarmannのバッジが貼ってある。上のバッジはCabrioなんだけど、剥がれてしまった。




さすがに伝統あるコーチビルダーの手にかかったものだけに、後姿が美しい、と今も思うよ。



この車もあらゆるところに不具合が出ていて、それでも、廃車にせずにやってきた。それが、気に入っていれば当然のことだが、多少気に入らなくても、縁があって、いったん自分のところに来たものは、なるべく長く使い続ける、というのがライネケの癖というか、傾向なんだ。

さて、お盆のために、夏休みで帰ってきていたGama君が、はるばる愛媛に遊びに来たBen君と一緒に、九州に行くから、カブリオを貸してくれと言ってきた。エアコンは効かないどころか、勝手に熱風が吹き出すし、パワーステアリングがなくて、馬鹿重いハンドルの、乗り慣れないカブリオを、長距離、はじめての土地を走らせるのはどうかな?と思ったが、貸してやった。

元気で行っておいで、お二人さん。

さて、実はいろいろ大変なことがあった後の、八幡浜のフェリー乗り場で。
向こうについて、エンジンが冷えていたら、早めに冷却水を補充してやってくれよ。
とか言っているうちに、あらら、とうとうフェリーに乗り込んで行っちゃった。
とにかく、無事を祈るしかない。


それで、乗り込む前に頼んでおいたのは・・・


そう、もう一息で、とうとう走行距離が20万キロを超えるから、そうなったら、積算計の写真を撮っておいてくれ、ということだったんだ。Gama君の運転中に、しかも九州の地で到達したのだね。

28年前、滋賀でこの車を買って、ナンバープレートも初年度登録のまま。ろくにワックスもかけず、水洗いさえもほとんどしていない。それでも、役に立ってくれてありがとう。ご苦労様。


3 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

20万キロ、真っ直ぐに走ったら
島国からどこまでいけるのかしら?

なにはともあれ、
カブリオさんお疲れ様。
これからもがんばってほしいものです。

chica

匿名 さんのコメント...

<ネコパコ>

満身創痍ですね

健気によく走るものです
かすかな…あきらかな
異音を感じつつ走るのは
体に悪いです

ライネケ院長 さんのコメント...

<ライネケ>
いや、60キロ以上でぶんぶん走ってると、本当に気分のいい車ですよ。

直すにも金が要るし、放置しておいてもしょうがないし、捨てるのは可哀想。
まずは、エアコンのコンプレッサーを分離して見るか。
そして、来年春までどうするか考える。

典型的先送りだね。