2009年2月26日木曜日

徒然雑草   chica


幼い頃からずっと早く居なくなりたいと思っていた。
頭の中に嵐がふくと、目に映る全てのものがそして自分が
気持ち悪くて、怖くて、腹立たしくて、悲しくて
早く居なくなりたいと思った。
押入れの布団に顔をうずめて、吐き気と涙を呑んだ。
小学5年生のとき図書館の一角で堀口大學の詩に出会った。

小學生

先生 植物学はうそですね
花もやはり笑うのです
梅が一輪咲きました

嘘だと思った。
こんなに私は苦しいのに、悲しいのに。
それから時が過ぎた。
家を出る年齢が近づいた頃、父は私に何度も言った。
これからの人生に楽しいことなど何一つ無い。暗く苦しく寂しいだけだと。
酷い事を言うと思いながら、納得している自分がいた。
答えではない答えだと思った。
それから時が過ぎた。
くしくも植物と向き合う職についた。
植物の声は聴こえない。
悲しくても、苦しくても、怖くても、
それでも生きていかなければならないことだけは学んだ。

今朝、今まで一度も花を見せなかった植物に蕾を見つけた。

いつ居なくなれるのかなと思う。
でも今じゃないことは知っている。

                       chica

4 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

<ライネケ>
そんなこと言ったっけ?

何度もっていうことはない。せいぜい一度くらいでしょう。それに、これは、ライネケが自分に言い聞かせて来たことなんだよ。

これは、I先生からの受け売りだと思う。

もう14年も前のことだよ。いよいよ、ライネケの父親である老ライネケ(伊予じいちゃん)が死にそうになって、ライネケは重い心を引きずって、それでも、I先生のおうちに弓の稽古に行った。弓を引き分けているライネケの背後に回って、ライネケの肩を押さえながら、I先生がつぶやくように言ったんだ。

「これから、楽しいことや、ええことなんか、一つでも、あると思うなよ。嫌なこと、苦しいことばかりじゃ。」

だって。父親を失ったら、自分が当家の家長として一族を率いて行かねばならないというライネケに送る言葉としては、結構な激励のはなむけじゃないか。

でも、本当だと思った。

「夢」だの、「希望」だの、「明日」だの、そのような甘ったるい言葉に頼って生きるべきではない。

「あきらめない」とか、「忘れない」とか、「信じる」とか、歯の浮きそうな言葉を、軽々しく口にすべきではない。

我々の行く手に待ち受けているのが、嫌なこと、辛いこと、鬱陶しいこと、面倒なこと、苦々しいこと、そんなことばかりだとしても、生きて行かなければならない以上、困難を切り抜けるべく覚悟して、生きて行く勇気を持つべきだ。

バリアフリーなんぞというようなものは要らん。生かされている、ありがたい、なぞという言い方も大嫌いだ。

あらためていうけど、

「これから、楽しいことや、ええことなんか、一つでも、あると思うなよ。嫌なこと、苦々しいことばかりじゃ。」

貴女が東京にいると思う時、遠く、東の空を眺めます。元気で暮らせよ。

Nur wer die Sehnsucht kennt
Weiß, was ich leide!
Allein und abgetrennt
Von aller Freude,
Seh ich am Firmament
Nach jener Seite.

憧れを知るもののみが、私の悩みを知るのです。
一人っきりで、あらゆる喜びから離れて、
大空を眺めるのです。
       Goethe
Reineke

匿名 さんのコメント...

久しぶりにブログ見てみてびっくり。
みんな、ペシミスティックに過ぎるんでないの!

もちろん、なんも考えずに日々、働いて、食って、寝るだけの生活がいいとは言わんけど。
僕は、あーだこーだと話を小難しくしたり、事あるごとしむしむ、といってみたりして自分で自分の中に埋もれるようなのはどうかと思うのです。
あはあはと笑ろうていきましょうよ。本当の内面と、外に表明するものとは区別しましょう!お願い!お願い!


そうだ、車校は卒業したのに、免許センターには行ってないのだ。今週行きます!(宣言)
           仙台のガマ仙人

匿名 さんのコメント...

<ライネケ>
ガマ仙人様。ちゃんと95点以上とって、免許をもらって来て下さい。

ある人によれば、君やHaruno君はメンタルに強い群に属し、メンタルに弱いChicaやShigeには、東京は苛酷すぎるんだそうだ。Reinekeやnekopakoは一体どっちなんだろうな。

多分、Chicaさんは、あはあはと笑うていると思うよ。心配ない。

う〜む。「本当の内面と、外に表明するものとを区別する」か。いいこと言うじゃないか。

Chicaさんの内面は随分複雑で、外に見えるものとは大分違う。区別していて、それでいて、ああいう風にもなる。いわゆる複雑系だね。

仙台は今寒いだろうな。最近、デコポンが出始めた。美味しい。もっと安く、もっと美味しくなるだろう。

もっともっと美味しくなれ。

山は高きを厭(いと)わず
水は深きを厭(いと)わず

Reineke

匿名 さんのコメント...

<ネコパコ>
帰って来ました
いきなりド〜ンですね

人にはそれぞれ足りないものがあって、有り余る程のものがあって、それで一層悩み苦しむ

「みんな違ってみんないい」とか言うどっかの誰かのおためごかしや、スマップのウジャジャケた歌ではなくて、それぞれの人が、自分の足りなさや、余りとどのように主体的に折り合いをつけて行くか…
そこに、生きている独自の価値があるのだと思っています

chikaさんは、若干4歳にして「体の中には良い心と悪い心と両方棲んでいる」という哲学的名言(?)を残した人なので、なおさら不器用に苦しんだのでしょう
現在の彼女は人の世のためにとても仕事をしている、親にとってはそのことが大変嬉しい。

確かにこの親ありて、この子ありの、共鳴増幅はえてして両者の苦しみを更に深くしがちとも思います。
しかしそれこそある意味逃れられない運命。

「我を知る」難しさ、そのことを考えさせられた今回のブログでした