2015年5月9日土曜日

ライネケの冒険 海からの贈り物3 <ライネケ>

5月2日、外来が終わって、ただちに海に飛び出した。今年はじめて、アクアミューズを海に浮かべるのだ。あまり風が吹いているとはいえないのだが、グズグズしていると、夕凪に掛かってしまう。舟はすでにメルセデスの上に積んであり、窮屈で息苦しいのだが、Haruno君の置いて行った半袖・半ズボン型のウェットスーツを着る。

浜に着くと、風は2mくらいで、引き潮だ。重信河口に近いあたりでは大勢が潮干狩りをしている。日差しは強く、波打ち際で艤装していると、背中が暑くなる。

昨年11月以来なので、勘が戻るまでに少し時間がかかるが、30分くらいかかって、ようやく出艇した頃までは、まだ少し風があった。しかし、やがて風が弱くなり、北向きの潮の流れのために、なかなか思うように操船出来ない。今回は今年度の初日なのだから、早いけど、そろそろおしまいにしようかな、と思いながら、沖合を漂っていると、潮間に何かが見えた気がした。舟を回して、近づいてみる。

魚だ。

黒っぽく、銀色に光っている。腹を横にして、波間に漂っている。舟を寄せて、持ち上げようとするが、片手では無理だ。弱っていながらも、身をよじらせて、すくい上げた手からまた海にもどる。かなりの大型だ。このまま見捨てるのはもったいない。

パドルを取り出して、なんとか漕ぎ寄せて、やっと取り込むのに成功したが、バケツ替わりになるものがない。あわてて、渚に戻って、ネコパコに携帯電話を掛けて、バケツを持ってきて欲しいと頼む。

ネコパコもライネケの思わぬ拾い物に、びっくりしている。少しでも生きているうちに、急いで血抜きしなければならないのだが、すでにエラブタが動いていないみたいだ。



長さ45cm
黒鯛 いわゆる「チヌ」



ネコパコがハラワタを抜いて
エラを外したところ

興味津々のゴロっち
ネコパコには面倒をかけるけど、



思いがけず
鯛づくしの夕食になりました


やっぱり
まずは刺身で


タイの揚げ物のみぞれ和えみたいの
その他に
塩焼きやら何やらも

ゴロっちも
おこぼれにあづかったかな?


水から上げたときは、すでに死んでいたようで、ネコパコは慣れぬ血抜きをしてみたが、うまく行かなかったそうだ。だから、おそるおそる食べてみたのだが、意外にと言うべきか、なんと言うべきか、なかなか美味しかった。チヌは通常のタイに比べて、癖があるというけれど、それほどのこともなく、やっぱりタイはタイらしく豪華な夕食を食べられたのは、ネコパコのおかげというべきだろう。

調べてみると、塩屋の浜は、チヌが釣れるということで、釣り人の間では結構な人気スポットらしいのだった。そう言えば、波打ち際やら、テトラポッドの積んだ突堤で、何人か竿を出している人たちがいた。45cmのチヌを拾ったと言えば、彼らはどんな顔をするだろう。

実は、この塩屋の浜で、こんな拾い物をしたのは二度目なのだ。
5年前、2010年6月8日にも、アクアミューズで遊んだあと、夕暮れの渚で艤装をはずして、帰り支度をしていたとき、長さ35cmのチヌが波打ち際に浮かんでいるのを見つけて、持って帰ったことがある。

なんでも、ためらわず拾って帰る、というのは、おいらの特技かもな。
それにしても、今回のはずいぶん大きかった。

5 件のコメント:

sorneko さんのコメント...

ご馳走さまでした。 がま

匿名 さんのコメント...

なかなか大きい拾い物ですな。
お見事!

私は最近、職場の近くでスチールラックの
棚板8枚と足を1セット拾いました。

達成感があるんだよなー。
良いもの拾った!っていう。
仙人掌姉

inchoudon さんのコメント...

<ライネケ>
棚板だけだとただの錆びゆく鉄板ということにはならないのかね?
いい利用法があるといいですな。

木製のものだと、ひと昔のものなんか、当時は大したものでなくても、現代の合成樹脂製の規格化されたユニットものと比べると、品質感ははるかに高いよ。

匿名 さんのコメント...

アイリスオーヤマという会社の
統一規格製品で、足りない足は追加で購入すれば
事足りるのですじゃ。
拾い物のプロですからね、
これは捨てられているなと判断したら
使えるか使えないか、値打ちがあるかないかを
瞬時に判断して、怪しまれない回収方法で
素早く回収するのです。

過去のBlog読んでみたら、
以前にも院長が浜で黒鯛を拾得されとりますね。
仙人掌姉

inchoudon さんのコメント...

<ライネケ>
”怪しまれない方法で”、というのが味噌だね。
おいらはむしろ、捨てるのが苦手なんだが・・・。

あの時の拾得鯛は、今回のより大分小さくて、あまり美味しくなかった記憶がある。それにしても、なんで浮いていたんだろうね。刺身が適当にやわらかくて美味しかった。新鮮だと言っても、あまり、コリコリのはすきじゃない。

ある人々は、魚は刺身が一番いいと信じてるみたいだ。昔、病院宿舎時代に、近くに軽トラで行商していた寄島の魚屋さんのおじさんに、鯛をバター焼きにするんだといったら、こんな魚の味の分からん奴には売ってやらん、という顔をされたのを思い出すな。