2013年8月26日月曜日

ふりかえる夏

夜半、陸風が海辺に張った天幕を静かに通り抜けた
ここは輪島の袖ヶ浜
日本で千枚田の残る、数少ない土地
松の木が冬の烈風に耐えかねて、吹き流されるように育つ。
こんな厳しい土地に、どうして人は暮らすのだろう。
そして開けた土地も無く、ひとたび塩水を被れば
枯れるような田畑を耕してきたのだろうか。

長い年月を経て伝承され、築き上げられた技は
ただの生計手段の域を超えている。
(石川県輪島漆芸美術館にて)

 土地と伝統というシガラミの中で、個を殺して生きなければ
ならなかった人達の、唯一の自己顕示がこの技の頂だろうか。
がまがえるにはわからない。
ただただ感心するばかりである。

そして、そらまめ号は渚ドライブウェイをごとごとと走っていった。

 途中釣糸を垂れたりするあたりが、自動車旅行の余裕である。
 さあ、金沢の街が近い。

がま

3 件のコメント:

ライネケ院長 さんのコメント...

<ネコパコ>
時に手仕事は人の営みの哀しさを感じさせます
手の込んだ昔の工芸作品を見るたびに私は
いつも知らず知らず「鶴の恩返し」の
鶴の姿を思い浮かべています
しかし一方で表現する喜びが感じられるものも
確かにあります
生きる辛さが手仕事で昇華した結果かと思います

魚釣りまで楽しみながらの気まま旅行!
北陸も暑いとは聞きましたが気分良い旅が続き
よかったですね



匿名 さんのコメント...

テントの入口に立ってるの
スーツケースだよね?
途中まで、発電機だと思っていて
「車があると、キャンプも荷物が楽だな」と
勝手に納得していました。
バカ過ぎる。

仙人掌姉

ライネケ院長 さんのコメント...

<ライネケ>
がま君ご自慢の工作室から出てきた自家製枠付き、キャリングバッグじゃないかな。発電機まで行くとちょっとやり過ぎ。キャンピングカー族は大嫌いだ。
最近はどこでも人が多くて、特にキャンプ場と言われるところはシーズン中は最悪だよ。いいところが見つけられたかね。
JAFは入っておいたほうがいいよ。意外なところで、思わぬ何かが起きるものだ。

ネコパコさんのいう「手仕事の哀しさ」ってわかる気がするよ。昔の織物とか、気が遠くなるような根気のいる細かい作業だ。それでいて、安く買い取られたのに違いない。でも、織物が手元から少しずつ織り出されるのを見て、作者は心が慰められたに違いない。美しくて悲しい。