2010年12月2日木曜日

秋が深まって行くある日、ライネケとネコパコは、内子方面に向かった。

五十崎の和紙屋さんに寄ったら、近くの川沿いにこんな木が立っていた。

黄色くなった葉っぱがかわいい。何の木なのかな?

五十崎から、山の中の国道を肱川にそって遡って行くと・・・。小薮温泉という看板がある。温泉マニアというわけではないが、一度つかってみるか、というわけで寄ってみた。
つづら折れの道を上がって行くと温泉があった。入浴料500円だった。

下の二枚は、どこかのサイトから借りてきた写真

山の中腹にある建物で、
木造三階建てで、大正時代の物らしく、県の文化財かなにかに指定されているらしい。


入り口は、実は、一番上の三階にある。一見、ここが温泉?という感じの玄関を入り、奥に進むと、二十畳くらいの座敷があり、外の山の景色が見渡せる。この座敷は、ふすまを開けて隣の部屋とぶち抜きにすると、三十畳足らずくらいの大広間になる。

谷側には、欄干付きの濡れ縁というか回廊がとり回され、長年月の雨風に耐えた木の風合いがいい感じだ。

やはり、こうして寝てみたくなるんだな。山々が、豊かに色づいて、美しい。今年は、冬の到来が、少しずれ込んでいるようだね。

座敷には、「保楽洽壽」(右から読むのだぞ。)という額が掛かっている。「楽しみを保(たも)ち、壽(いのちながき)に洽(かな)ふ。」と読むのかな?それとも、「洽(あまね)く、壽(いのちなが)し。」かな? 八十四翁素軒、素軒という号の人が84歳の時書いたみたいだね。

もう一つ額が掛かっていて、こっちの方は、「直而温」。「直にして、温」(率直で、しかも温和な性格が理想だ。」と言うんだね。達雄さんという人だけど、先の額の人と同一人物かな? 昔は、どこの田舎にも、こういう風流爺さんみたいのがいて、思い思いの号を名のって、気の利いた文句を書き残したようだ。ワープロが普及して、字を書く機会の減った現代人は、毛筆はおろか、人前でうっかりペンでも握ろうものなら、悪筆がばれて、恥をかきそうだね。小学校時代以来、まるで進歩してないんじゃないか、という字しか書けない人ってよく見かけるな。あまり人のことを言える柄じゃないが。

悟りの境地は遥か遠く、瞑想するライネケの図。
あまり、後ろに寄りかかると、手すりが朽ちていて、落っこちるから、気をつけて。

伊予市に近づく頃には、いつしか、日が暮れて、山の端に月が。
冬が間近だね。

5 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

<ネコパコ>
あの木は唐楓だそうです

種が普通の楓のプロペラの開きより狭くてどっさりついていました
楓類は種が飛んで行くとき本当に面白いですね
とても立派な木でした

匿名 さんのコメント...

いいですのう.
温泉いいですのう.
セーターの胸に光るのは,信号ピンバッチ
かしらん.

がまは最近,突如
「けんきう!けんきう!
   あっほう!あっほう!」
などと叫びつつ,レンタカー屋に直行,
競合他社の ぷりうす なる車に飛び乗って
気仙沼まで遁走こきました.
その経緯はまたレポートします.

gama

匿名 さんのコメント...

<ライネケ>
胸のピンバッジに気づくとは、なかなか、Gamaはするどいのう。
寒い冬になって、冬眠なぞせんようにね。

kurashiki-keiko さんのコメント...

院長先生もこんな茶目っ気がおありになろうとは…。
額の読み方、さすがー。
昔母方の叔父が、犬養木堂さんの書だったか、漢詩文をたちどころに読み下してへーっと驚いたことがありますが、彼も教養あるドクターでしたわ。
院長先生は昔の文士というか教養人のようなお方で尊敬いたします。

匿名 さんのコメント...

<ライネケ>
kurashiki-keiko様、
教養人なんて、とんでもない。ちゃんと句読点が入って区切られていないと読めないし、区切られていても、ちょっとむずかしい言い回しだと駄目です。明治時代までの知識人は、漢文をよく読めたようですけどね。この額の読み方も怪しいです。信用なすっちゃ駄目です。
私の父は、文人墨客趣味は下らないと言ってて、こういう風流趣味を馬鹿にしておりました。私はその気があるので、小さくなっておりました。
犬飼木堂は清の張廉卿を習ったそうで、岡山の人ですね。吉備津神社の近くに、犬飼木堂の家とか書いてあったのに、遂に行ってみませんでした。