冬といえば牡蠣の時期だ。全国的には広島、宮城、岡山の牡蠣が有名だが、愛南地区は黒潮が近くを流れ、リアス式の海岸は牡蠣の養殖に適していて、いい牡蠣が採れるという。
というわけで、ルポに乗って、やみくもに南予方面に向かったのだった。
最寄りの伊予インターから高速道に乗れば、大洲を経て、宇和島北インターまで一気に行ける、というのだが、ちょっと味気ない気もするな。目的の愛南町御荘までは約120キロ。
たどり着いた海辺には船の横付けされた桟橋の上にバラックの建物があり、どうやらここが「稲田海産」らしい。若い衆が2人ほどいて、バラックの中ではオジサンオバサンが、でっかいだるまストーブの周りで仕事している。
大きな殻つき牡蠣を10個ばかり買って、よだれを流しながら満面の笑みを浮かべるネコパコ。こんなはるかなところにまでやって来て、物好きなもんだよ。
その夕方、帰ってきて早速夕食の準備。一生懸命、炭を火吹き竹で吹いて、起こした火鉢の炭火の上に網を載せて、イライラしながら牡蠣を焼く。なかなか口があかんなあ。いやいや、焼き過ぎると身が縮まってしまって、固くなってしまうんじゃないか、とか言いながら、ストーブの上に、アルミホイールを置いて焼いたり、いろいろやってみた。
こんな具合。中のおつゆをこぼさないように、レモンをジュっと絞り込んで、ぱくりと食べる。美味しかったよ。
翌日は、牡蠣フライの夕食。これも美味しかった。どっちかというと、ライネケは、牡蠣フライの方が好き。これにレモンを絞りかけて、ウースターソースをかけて食べるのが好き。
大分、ダメ出しもして、安定してきたC65に、30年ぶりに、ネコパコと二人乗りして、松前から伊予市の海沿いをぐるっと走ってみた。このくらいの小排気量車だと自転車と変わらないくらいの取回しで大抵のところに入っていける。一月の海辺の夕暮れは美しかった。