この記事は、本当は9月中に公開する予定だったんだが、ついつい延び延びになってしまった。今頃公開するんだけど、諸君、ともに祝ってやって下さい。
どうだい。お育ちの良さそうな、坊ちゃんぶりじゃないか?
なんたって、キツネコ家の末っ子、四男坊だからね。四郎だから、白いんだ。
草花の下をうろつくのが好きなロナ君。
いろいろ厄介なこともあるが、喜びももたらしてくれる我が家の美男子。
キツネコ家では、9月は誕生日ラッシュなんだよ。
ええ? ChicaさんとSoraちゃん、2人で終わりじゃないの?って?
違う。Ronaさんがいる。
そういうわけで、
9月23日秋分の日、Ronaさん、誕生日おめでとう。
君も御年6歳になっちゃったんだ。人間でいえば、もう立派な中年だよ。
9月下旬のある日、Shige君が死にかけの仔猫を拾って帰って来た、とネコパコ母さんが言う。うちで飼いたいんだけどって。
「駄目だよ。そもそも、借家では犬猫は飼っちゃいけないんだ。今までも何回か、同じことがあったけど、全部、却下した来たじゃないか。情が移らないうちに、さっさと捨てて来なさいよ。」
「でも、生まれて数日目で、目も見えないし、夜は寒くなって来てるし、このままじゃ、すぐ死んじゃうか、野犬にでも食われてしまうわよ。」
「駄目、駄目。心を鬼にしなくっちゃ。俺は知らんからな。」
「でも・・・・。」
「結局は捨てることになるんだ。ミイニャの時のこと考えてみろよ。早くしなきゃ。」
「でも・・・・。」
「はああっ。そんなことを言って、俺は知らんぞ。どんな猫か知らんが、とにかく俺は見んからな。知らんからな。知らん、知らん。」
どどどって、逃げ去ったんだが・・・。
「みいにゃ」っていうのは、滋賀時代の話だ。滋賀医大にいた頃、官舎でしばらく居候した猫の話だ。この話はまたの機会にしよう。
Shigeが描いたうちに来たばかりの子猫の絵。
体重240g、足の爪を隠す事を知らない、と書いてある。
Shigeは彼の命の恩人ということになるね。
結局の所、ライネケはしようがなく、その猫を見てしまった。白い毛糸の球みたいなものを見ちゃったんだ。うーん。しようがないな。とにかく、大家さんに頼んでみるしかないな。第一、動物病院の医者は、余りに小さくて、目が見えないだけじゃなくて、ミルクも飲んでくれるかどうか分からないから、うまく育つかどうかもあやしい、と言った。可哀想だけど、死んでしまえば、それまでの話だな、と瞬間的に思った。本当にはかない生命だったんだ。
というわけで、片手のひらに乗るくらいの子猫はうちにやって来た。
買って来た粉ミルクを綿球で含ませたり、便秘の子猫のお尻をマッサージしたり、久しぶりの野生母ネコの本能を発揮したネコパコの奮闘によって、意外にも、子猫は順調に育った。
来た当時は、おチンチンがないように見えたので、雌だと思っていた。ところが、動物病院の医者は、ちょっとあの辺りを探ってみて、これは雄ですね。と言うんだ。えええ〜っ。雄だって。
Shigeの絵にあるように、生まれて間もなくは、頭のてっぺんが少しだけ黒かった。当時のサッカー選手のロナウドの頭みたいだっていうので、Chicaさんがロナウドと名付けた。略してロナが我が家の一員となった。
ロナは、目の色が左右ちがっていて、右が黄色、左が青色。こういうのをオッヅアイ、と言うんだそうだ。同じだったら、イーブンアイだな。で、白猫でオッヅアイだと、どちらかの耳が難聴になるんだそうだ。へえ、そりゃ可哀想だな。と思ったら、医者が言うには、でもこのネコは、ほんのちょっぴりだけど、頭のてっぺんに黒色が残っているから、大丈夫かもしれない、って言ったんだって。
どうやら、ロナは、難聴にならず、ちゃんと聞こえているらしい。自分の都合の悪い時は、まるで振り向きもしないが。4ヶ月過ぎに断種した。お前の子孫ができたらいいのに、できないんだな。可哀想に。
リフォームして、きれいな四国杉の厚板を張った我が家の床の傷跡。最初は何だろう?と思った。やがて、ロナの爪痕だと分かった。ネコの爪研ぎ仕上げというんだそうだ。ネコは皆、爪研ぎの癖がある。3年前、倉敷の借家を引っ越す時、ロナのために、畳と襖の張り替えに大金が掛かった。今や、我が家の床は、ロナの爪痕だらけだ。
彼の被害に会った、ふすまと畳。
彼の爪を切ってしまえば、この憂いはなくなるだろう。しかし、彼が何かの時に塀に駆け上がれなかったり、宿敵と戦わなければならない時、この爪がなかったら、と思うと・・・。
いつの日か、ロナがいなくなった時、この床の爪あとを見て、私たちはロナのことを思い出すだろう。そして、涙を流すだろう。
人生は、ほんの一瞬の出会いだ。君がいつまでもその辺りにいてくれるといいのに。
我が家の貴公子、ロナ君。6歳の誕生日おめでとう。
8 件のコメント:
<ネコパコ>
拾って来てすぐの体重は120gでした。一週間後に240g。
一週間で実に、二倍になったんですね!!
ほぼ4時間置きにミルクを飲んで、おなかが大きくなると寝るのは人間の赤ん坊とよく似ていると思いました。
現在は6.5kgです。ずっしり重たい大猫。
これが冬になると布団の上に乗っかって来ます。
まるで石臼に乗られた「猿かに」の猿のように身動き出来なくて目が覚めます。
毎朝4時になると枕元に座って耳をカジッと噛んで、「餌くれ」の合図。
いろいろと犠牲を強いてくる生き物ですね、猫というやつは
子猫は人に貰われてなんぼ、と自覚しているらしく、ちっちゃいうちの愛嬌は殺人的ですね。でも大きくなった今の、目つきの悪さはうちの子の特徴です。
gama
あのちっちゃな、猫用ミルクを飲んでいたロナくんがもう成人・いや成猫 (=^・^=)
になって、貴公子だなんて、早いものですね。
4歳頃のShigeくんに遊ばれてくたびれた・・・とぐったりしていたうちのパンチは人間で言うともう90歳代?、11歳のウサギなんて、めったにいませんね。現在老後を看取っているような感じになっています。
<ライネケ院長>
kurashiki-keiko さん、コメントありがとう。久しぶりですね。
ロナは、人をドアマンか給仕係みたいに、戸を開けさせたり、餌を補充させたりしては、朝な夕な、何度も出撃して、顔を黒く汚したり、体のどこかに怪我したりして帰って来ます。大きくなったものです。いつまでもいてくれるといいけど、いつかはお別れだと思うと、いろいろ甘くなりますね。
パンチ君によろしく。
ニャー。。。。。。
バイト先に連れて行ってミルクを一時間ごとに
飲ませたのが懐かしいですな。
見た目だけで男の子の名前をつけましたが
間違ってなくてよかった。
それにしてもうちは女の子に縁がない。
結局一女四男の姉弟ですね。
あの日、shigeは自分のおこづかいを握りしめて
動物病院に行ったのではなかったかしら。
待ち合い室で小さい小さい子猫を抱いて待つ彼の代わりに
問診票に私が記入したのをよく覚えています。
なんか、よくわからん名前を主張していたのに
無理矢理私が名前の欄にロナウドって書いちゃったから
ロナウドはロナウドさんなんです。
ロナウドさん、帰ったら揉ましてね〜。
chica
<ネコパコ>
ロナはロナウド、クルックシャンクス、チャン、モーターという長ったらしいのが本名です
ロナウドはその年のワールドカップで活躍したブラジルのロナウドの髪型にちなみます。クルックシャンクスはshigeがお気に入りのハリーポッターから、チャンは子連れ狼の大五郎ヘアーからsoraninが、モーターは子猫の鳴き声がウィ〜ンウィ〜ンとモーターのようだというのでharunoが、というわけで四人の心優しい姉兄がそれぞれ命名したのですが、結局通称で呼ばれる事となりました。
初診料1600円哺乳瓶900円猫ミルク1500円、合計4200円をshigeが払ったことになっています。
やっぱり命の恩人は彼ですね。
<ライネケ>
必死に願えば、神をも動かすことあり。いわんや、頑な父親ごときをや、というわけだ。
Happy birthday, Rona !
コメントを投稿