<院長>
ライネケ院長は、乗り物が好き。自転車にも、自動車にも、オートバイにも、そして、ヨットにも乗る。ヨットって云っても、アクアミューズって云って、本当にちっちゃな、笹舟みたいなセーリングカヌーだ。風の力だけで走る。
院長は、昨年12月以来、海に出ていない。風は寒いし、水は冷たいし、波は高かったから。
ある五月の太陽が降り注ぐ日。昼食のあとの空き時間。ライネケ院長は、今年初めての帆走に出かけた。車の上に、イエローのヨットと帆柱を積んでね。
診療所から車で5分。
松前の町の西、塩屋の浜。
南北に長く延びる砂浜。
南は伊予市、双海方面。
北は、重信川の河口を渡って、垣生、今津港方面。風は海風。
満潮に近い午後1時半頃。
舟を渚に運ぶ。
まず、マストを立てる。
帆綱その他の艤装
しっかり、きちんと。
沖に出たら、舟と自分だけが頼り。
準備完了。
ライフジャケットを着て、海面に
船首を風上に向けて、出艇
まだ、舵は上げたまま。
舵を下ろし、
沖に向かって、舟を押し出したら、
乗り込んで帆綱を引き、
艇を沖に向ける
と思ったんだけど、
向かい風と寄せ波に押し返されて、
また、岸辺に打ち上げられそうに
あれれれ
二度三度繰り返し、
やっと何とか、艇首を沖に向け
風を捕まえる
沖から吹いてくる風を斜め前方より受けて、
どんどん沖に
風を真横から受けると、
帆が風を受けて、
横倒しになりそう
ほら、いつの間にやら、
あんな遠くに
沖合を気分良さそうに
北の方角、垣生の方向に向かって、
進んで行く
今度は、南に向かって、
引き返して来たところ
午後の仕事時間に間に合うようにと、
ネコパコ事務長より、
合図のコールが。
はいはい、それじゃ、帰ります。
帰りは追い風で、あっという間に
着岸、ただいまー。
キチンと片付けて、次ぎに備えなければ。
帰ったら、艇や帆や綱類を水道水で洗わなければならない。
ライネケ院長はharunoから、そう、教わった。
我が子に教わる歳になったのだね。
渚から車のある道までは遠いけれど、
舟を運ばなければならない。
行きはよいよい、帰りはつらい。
でも、面白かった。
気持よかった。
浜辺の緑、白い砂、広々とした海上、色の変る海面の色、大きな空、白い雲、静かな空気。舵から手に伝わって来る潮の流れ。全てが良かった。
じゃあ、またな。
3 件のコメント:
うちの大学のヨット部でもこの間ちょっとした事故があったようです。
ヨットは楽しいですが少しの手違いで事故につながるので気をつけてお遊びくださいませ。
Haruno
<ネコパコ事務長>
実に出帆した次の日には四国地方が平年より7日も早く梅雨入り宣言したというわけで、五月晴れのもと、きらめく海原を帆走するヨットの姿を見るのは最初で最後となってしまいました.
寸暇を惜しまず出かけて行くライネケ船長に敬礼です.
<ライネケ院長>
おそれいったか。おいらの雨ふらしパワー!
どういうわけか、おいらが楽しいことをしようと始めると雨が降り出すんだけど、その確率は優に7〜80%を越すね。
ある人なんか、世の中に、神様が目を向けてくれる人なんかほとんどいないのに、とにかく、都合のいい方向であれ、悪い方向であれ、見ていてくれるらしいというだけでも素晴らしいじゃないですか、と慰めてくれたぐらいだよ。
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