今年も、クリスマスツリーを飾る季節がやって来た。
先週半ばも過ぎた頃、我が医院の現れたのは、なんと大男の白いあごひげの豊かな白人さんだ。サンタクロースがやって来たのか、と思った。
残念ながら、いい子にしていたライネケにプレゼントを持ってきてくれたのではなくて、患者さんとしてこられたのだった。
右足から脛にかけて、ひどく赤く、腫れ上がって、痛いという。高熱ではないが、発熱もあった。赤さも腫れもかなりのもので、どこか総合病院に入院してもらって、朝な夕な、抗生物質の点滴をしてもらわなきゃ、という印象だ。ただ、全身状態はそれほど冒されてなくて、重症の蜂窩織炎というところで、壊死性筋膜炎という重症感染症ではなさそうだ。もし、壊死性筋膜炎だと、ただちに入院して外科的処置をしなければ命に関わる。
今日が木曜日、明日は金曜日、土日になったら基幹病院は外来が閉まってしまう。とにかく、県立中央病院にでも紹介状を書いて、今日はとにかく、抗生剤を点滴して、明朝、さっさと入院してもらおうと思ったのだが、日本には、息子さんのいる伊予市に短期滞在のつもりで来ているだけで、医療保険も何も無いのだという。だから、当院でも自費診療で、当院で何とかして欲しい、と言うのだね。
う〜ん、と腕組みをして考えた挙句、もう夕方なんだけど、とにかく、これから抗生剤を点滴して、明日また来てもらって、考えるしかない。それにしても、こんな巨漢に、日本人と同じ量の抗生剤でええんかな? ということになってしまった。
金曜日朝、息子さんに付き添われて、彼がやって来た。包帯をとってみると、しめた、昨日より赤みも腫れもましなようだ。熱も昨日より下がっている。これなら、日に二回、朝夕、抗生剤を点滴して、乗りきれるかもしれない。月曜まで頑張れば、月曜には飛行機で、ロサンゼルスに飛んで帰れるという。
それで、金土日と朝夕2回来てもらって、点滴した。いつもは看護婦さんにやってもらうんだが、土曜日からは、ライネケ自ら、点滴の針を刺した。点滴を刺すなんて、もう10数年ぶり、いや、20年くらいやってないかもしれない。
無事、毎回一発で入って、日曜日の夜の最後の点滴が終わって、点滴の針を抜去したときは、ライネケは、医師として、日米友好の責任を果たした気になった。なにせ、日米中韓露とややこしい昨今だからね。
その後、日曜日夜の外来の待合で、ライネケ、ご本人、息子さんと三人並んで記念写真を撮った。翌日月曜日の朝には、ロサンゼルスに向かって、飛行機で帰米するのだという。帰りの飛行機乗るのに差し支えないように、その旨診断書を書き、帰国したら、アメリカの医療機関にかかるための紹介状を英語で書いてあげた。
その後、伊予市に住む息子さんに、携帯電話のCmailで、父上の安否を問うたら、
彼は、毎年このころになると来日して、エミフルでサンタクロースの服を来て、子供たちと写真を撮る仕事をしてたんだって。今年は、とんだ災難だったんだね。楽しみにしてた子供たちもいただろうに、ご自身も子供たちも、残念なことだったろう。
とにかく、
先週半ばも過ぎた頃、我が医院の現れたのは、なんと大男の白いあごひげの豊かな白人さんだ。サンタクロースがやって来たのか、と思った。
残念ながら、いい子にしていたライネケにプレゼントを持ってきてくれたのではなくて、患者さんとしてこられたのだった。
中央がサンタクロースさんのW,R,さん 腫れた右足にスリッパを履いてやって来た。 右端は、その息子さんのA.R.さん 二人ともライネケから見ればずいぶんな大男だ。 |
今日が木曜日、明日は金曜日、土日になったら基幹病院は外来が閉まってしまう。とにかく、県立中央病院にでも紹介状を書いて、今日はとにかく、抗生剤を点滴して、明朝、さっさと入院してもらおうと思ったのだが、日本には、息子さんのいる伊予市に短期滞在のつもりで来ているだけで、医療保険も何も無いのだという。だから、当院でも自費診療で、当院で何とかして欲しい、と言うのだね。
う〜ん、と腕組みをして考えた挙句、もう夕方なんだけど、とにかく、これから抗生剤を点滴して、明日また来てもらって、考えるしかない。それにしても、こんな巨漢に、日本人と同じ量の抗生剤でええんかな? ということになってしまった。
金曜日朝、息子さんに付き添われて、彼がやって来た。包帯をとってみると、しめた、昨日より赤みも腫れもましなようだ。熱も昨日より下がっている。これなら、日に二回、朝夕、抗生剤を点滴して、乗りきれるかもしれない。月曜まで頑張れば、月曜には飛行機で、ロサンゼルスに飛んで帰れるという。
それで、金土日と朝夕2回来てもらって、点滴した。いつもは看護婦さんにやってもらうんだが、土曜日からは、ライネケ自ら、点滴の針を刺した。点滴を刺すなんて、もう10数年ぶり、いや、20年くらいやってないかもしれない。
無事、毎回一発で入って、日曜日の夜の最後の点滴が終わって、点滴の針を抜去したときは、ライネケは、医師として、日米友好の責任を果たした気になった。なにせ、日米中韓露とややこしい昨今だからね。
その後、日曜日夜の外来の待合で、ライネケ、ご本人、息子さんと三人並んで記念写真を撮った。翌日月曜日の朝には、ロサンゼルスに向かって、飛行機で帰米するのだという。帰りの飛行機乗るのに差し支えないように、その旨診断書を書き、帰国したら、アメリカの医療機関にかかるための紹介状を英語で書いてあげた。
その後、伊予市に住む息子さんに、携帯電話のCmailで、父上の安否を問うたら、
I heard he is doing good.
っていうことだった。彼は、毎年このころになると来日して、エミフルでサンタクロースの服を来て、子供たちと写真を撮る仕事をしてたんだって。今年は、とんだ災難だったんだね。楽しみにしてた子供たちもいただろうに、ご自身も子供たちも、残念なことだったろう。
道後で、このクリスマスツリーを買ったのは、十数年前、末っ子くんと一緒の時だった。 |
とにかく、
Merry Christmas !
2 件のコメント:
なんと!でっかい!
サンタさんは実在するんやな。
でも今回は院長が早めのサンタさんでしたね。
お疲れ様でした。
年末に帰るのが楽しみです。
皆んな集合すると騒がしくなりますね。
ゴロさんに慌てないように言い聞かせておいてください。
仙人掌姉
<ライネケ>
すごく大きかった。
江戸時代の日本人が、オランダ人とかと初めて会った時は、さぞかし、びっくりしただろうな。
おまけに白い立派なヒゲを生やしていて、反射的にサンタクロースを連想した。
彼は、ロサンゼルスに帰って、どんなクリスマスを迎えただろうね?
ひょっとして病院通いかな?
さて、年末に帰ってきてもらったら、何をするかな?
昨年だかみたいな一族総会をやれる日は来ないのかな?
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