南予の宇和町という町の近くに「こけむしろ」というのがあって、喫茶店になっているという。屋上にスギゴケの集落を飼っている苔好きのライネケは、ネコパコと一緒に、紅葉狩りを兼ねて、ひとっ走り行ってきた。
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山すその杉林の中に
石積みの段々があり、苔に覆われた区域がある |
奥の建物が、喫茶店になっていて、飲み物やケーキを供される。室内には、店と周囲の苔山の主さんらしきひとが描いた絵がかかっている。
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苔の中から、
また
苔が小さな林みたいに生えてる |
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苔に覆われた地面の間には
通り道や飛び石があり |
ずいぶん、手間ひまかけたもののようだ。
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数段の石垣が上に向かって拡がる |
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苔の絨毯の中に
飛び石が置かれて
苔を踏まないようにという注意書きがある |
山から降りてくる谷川の水を引き、杉林の手入れをして、適当な日光量を配分して、ここまでにしたのだろう。
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これは苔ではないのだろうね。 |
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苔が覆っていない地面にも
苔の進出が見られる |
苔は、自分の気に入った場所に生えてくるものだから、なかなか、思い通りにはなってくれないと思うのだが、なかなかのものだ。おいらみたいな無精者には、こいつら相手はとても勤まるまい。
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ナギイカダ |
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不思議なんだが、
葉っぱの上に花が咲いているみたい |
自然は、ときに人の目には、奇妙なことをする。
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これも苔の一部なのか |
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ほら
ここにも |
このものども、一つ一つに、意識でもあるのだろうか。
不思議としか言いようがない。
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持ち主さんの自宅につながる庭には
池がある。 |
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大きな葉っぱの植物が立派だ |
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帰途の山の中に
動物たちの霊園があった |
ロナがいなくなる少し前、ポチが16歳で逝った。そのむくろを、私は、庭の一隅の土を掘って、埋めてやった。しばらくして、ロナがいなくなった。猫は死ぬとき、そうやって、姿を隠してしまうことがよくあるという。ネコの行動範囲は、自分のすみかから600m内外なのだそうだ。彼はどこか、意外に近くの、静かで落ち着ける場所にそっと眠りにいったのだろう。あえて、探し出す必要はないと思ったのだった。
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ここにも苔が |
ポチもロナも、この苔なのかもしれないのだった。
ポチを埋めてやったところは、今はシダが深く生い茂っている。
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野山は
秋になった |
今年の夏は、いっとき全然雨が降らず、暑い日が続いた。紅葉は、秋から冬にかけ、温度が急激に変わる時、見事に色が変わるという。
人々は、その風合いの変化に、ものごとのありようの栄えとうつろいを見、みずからもその一部となって、心うごく。はかない、美しい、うれしい、切ない、悲しいと。不思議というほかない。これがもののあわれというものか。
2 件のコメント:
おお!苔っティッシュワールド!
私も行きたいなあ。
苔は、不思議な存在ですよね。
根が少なくて、気が向くと増えて。
ちか
<ライネケ>
苔も日本ツタも自分の気に入ったところにだけ、気まぐれに生えてくる。
不思議だね。
そして、集落を作ると美しい。
植物というより動物に近い感じだ。
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