2012年9月28日金曜日

夏休みのある日 <ライネケ院長>

9月も後半になって、ライネケのおっかさんの米寿を祝うことになった。ネコパコが随分前から、計画してくれ、準備し、やり遂げてくれたことに感謝する。
10人前のお膳立て
ネコパコさん、ありがとう
ライネケのおっかさんは、88才を目前に、元気そのものに見える。ライネケの最低限の義務は、この人より一日でも長生きすることなんだが、ちょっと自信がない。

彼女の人生をずっと見て来たわけではない他人の目には、彼女が、ちょっと変わっていて、妙な生活パターンの持ち主であるように見え、場合によっては、笑いの種になりうる、ということは、理解出来る。誰もが、お互いに無縁の衆生なんだ。

しかし、ライネケは、この人から多くを学んだ。むしろ、今になって、さらに、尊敬の気持ちが深まったことを感じる。別段、何か世に現れるような名誉や地位を得たわけでもなく、夫と家庭に尽すことで、一生を送って来たように見える。それでも、この人には、何か人並み以上のものがある、と思える。このような人を親に持てたことに感謝する。

彼女の話には、辟易するようなこともあるが、ふとした機会に、彼女が語り出す話に、巧まざる妙味と興趣を認め、果断な行動力に驚かされ、また、救われる思いをしたことが何度かある。

彼女がどういうつもりで、そのような話をしはじめたのか、息子のライネケに、教訓として言い聞かせるためなのか、それとも単なる思い出話だったのか、分からない。親子の不思議で、微妙な関係としか言いようがないのだが、彼女が、母親として、不思議な教育者的行動を示したことは間違いない。どの親子もそういうものなのかどうか、ライネケには分からない。とにかく、ライネケは、その時の彼女の話、行動に、深い教えを見た。

どんな話だったのか、どういう行動だったのか、話しても、その真意は、おそらく、他人には分かるまい。だから、二人の間だけのやりとりとして、心に秘めておこう。
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翌日曜日、塩屋の浜まで、車で5分。バーベキューをするんだと、皆で、20年近く眠っていたMossのタープを引っ張り出して、車に積み込んでいる。

ライネケは、ややお疲れ気味で、あまり元気がなかったんだが、Haruno君の嫁御寮の「ヨット、乗ってみたいなあ」の一言で、気力を奮い起こして、アクアミューズをカートップして、出かけた。浜辺に立つと、思いのほかにいい風が吹き出した。不思議やなあ。おいらが浜にでると、きまって風は凪いじゃうのに・・・。

塩屋の浜を帆走中のHaruno君夫妻
前にヨット部経験者のHaruno君が乗って
後ろで舵を握っているのは、彼のご新造さん

上空をとんびが舞う
お前はいいなあ

波が打ち寄せ、
砂が濡れ、波紋が残り、
また乾いて、
また、元どおりになる。
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翌日、彼らは、言い出しっぺも、気乗りのしない人も、二台の車に分乗して、滑床渓谷に行き、川滑りをして、民宿で一泊したあと、さらに足をのばして、四万十の上流を目指した。ライネケは、仕事でホームアローン。
四万十川上流の「とおわ」のあたり
まだ、Haruno君もGama君も小さかった頃、
四万十の上流を泳いで渡ったことがあった
考えてみれば、危険だったね

Haruno君の腰にのぞいているのは
例の草間弥生デザインのパンツ
ちゃんと穿いている所が、
Chica仙人掌(さぼてん)おねいさんの威力なのかね



いつしか、あんなこと、こんなことあったっけ、と思い出される日が来るのだろう。

何も出来ないうちに、何も分からないうちに、時がたち、日が暮れ、年月は過ぎ去って、人生が終わるのだろう。結局、よく分からないまま、というのも、冥(くら)いとしか言いようがないのだが、考えてみれば、全てがそうなのだろう。

3 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

楽しい夏の終わりになって一家は冬の支度を始めました。
冬がきてまた春が来て、そして夏がくるのです。
いつの時も、ずっとそうして過ごして来たのですから
家族は深い眠りに付く事に、躊躇する事はないのです。

ムーミン一家のお話にこんな締めくくりが
あった気がします。

幼い頃から、方法や内容は違えども
こうして家族と過ごして来れた事に
不思議も戸惑いもなく、
自然でいられる事が幸せなのでしょう。

良い時間をありがとうございました。
chica


ライネケ院長 さんのコメント...

<ネコパコ>
今年の夏の終わりはことのほかいろいろと盛り込んだ気がします
10人分の料理を一から考えて作り準備するのは、久しぶりに血湧き肉踊る感じがして面白いことでした。
何かと理由付けしないと本気で考えられない怠慢さに最近侵されているので、良い機会だったと思います
弁当箱に詰める最後の所では、帰って来た子ども達に手伝ってもらい、時間に間に合いました。
それも良い機会だったと思います
一緒に仕事ができる機会などというのは、この先なかなかないでしょうから…
親子の縁などといっても、関わり合ってこそのものだと思います

kurashiki-keiko さんのコメント...

ネコバコ事務長様の準備なさったあの玉手箱の中身が知りたい…相当頑張られたのでしょうね。私などはとてもまねできません。そういう趣向も、早くからの準備に気を回すことも。
 うちの母が申しておりました。「親の言うこととなすびの花は千に一つも無駄がない」。よく聞いておくんだよ、ということか。
 あと一つ、ヨットで乗った先、とある人気テレビ番組の無人島ロケの地に松山空港沖の小島が舞台になっているのだとか。我が家では毎週楽しみにその番組「鉄腕DASH」を見ております。