2012年3月13日火曜日

3.11だというのに <ライネケ院長>

3.11の追悼のため、世の中は、涙の日だったと思うが、ライネケとネコパコは、はるばる徳島に行った。

目的は「受審」。六段をもらってから18年、教士をもらってから15年が経ってしまった。それでも、44人中21番目。これで、上手だと受かり頃だけど、なかなかそう簡単ではないね。

早朝5時にネコパコと二人で出発。上分の分岐から徳島道に入り、徳島の道場に到着したのが、8時15分頃。すぐ開会式が始まると言うので、駐車場探しはネコパコにまかせ、急いで着替えて開会式に参加。そのあとは、七段審査は午後4時頃開始だという。6時間以上の長い長い待ち時間がある。

またまた着替えたライネケとネコパコは、再び車に乗って、国道55号を室戸岬に向かうことにした。昔、子ども達を乗せて、何度この道を走ったことか。阿南を過ぎ、新しいバイパスが出来ていて、ずいぶん変わってしまっている。「大菩薩峠」という偏屈もののおやじがレンガを積んで作っている喫茶店は、役所と喧嘩しながら、まだやっているようだ。

太平洋が見えはじめた。どこに行こうかね。ちゃんと審査開始に間に合うように帰らなくてはならない。室戸までは無理だ。そうだ、昔一度だけ行ったことのあるあそこに行こうか。

この天井に見覚えがあるかな。
牟岐という町にある「モラスコ牟岐」という貝類水族館だ。



どうして、ある種のある属のある生き物は、わざわざ、きまってこんな形になるのだろう。折れやすかろうに、長いトゲを張り出し、必ず、決まった巻き数だけ渦を巻き、それも決まった方向に巻く。わけもないのに、どうして、こんなピンク色や、緑色になるのだろう。もし、神がいて、そういう風に世の中を作っているのだとしたら、どうして、そういうふうにさせるのだろう。自然淘汰?適者生存? いや、それだけでは説明がつかない。自然は合理だけを選んでいるのでないようだ。



ヒトデの多くは、五角形のいわゆる星形だが、どんな形でも良さそうなものなのに、どうして、よりによって、きちんと五角形なんだろう。ミノカサゴは、敵を驚かすためにヒレを大きく広げるというが、いかにも装飾過多のように思える。彼らには、何か意図があって、わざわざ見せつけるがごとく、そうしているように見える。



水族館の外に出てみると、そこは太平洋だった。子ども達が巣立って行き、二人きりに戻ったライネケとネコパコは、久しぶりの晴れの日差しの中で、並んで写真を撮った。

牟岐の駅の近くで昼食を済ませて、徳島に戻り、審査を受けたのは、4時半過ぎだった。首尾はというと、甲矢は良かったけど、乙矢が的枠を蹴り出しておしまい。受験料と高速料金と燃料代と、単なる趣味にしては、随分金を使い、ネコパコにまで付き合ってもらって、はるばる片道280キロもやって来て、二本引いただけで、おりしも降り出した雪と強風の中を、二人は徳島道に乗ったのだった。松山着、8時過ぎ。「でんぷん」で夕食をとり、椿湯に入って、帰った。


我が家では、ロナさんが、身一杯からだを伸ばして、寝転がり、甘えている。全長80cm、尾の長さ35cm、体重6.5キロ。そうだ、まだ、子どもがいるのだった。

お前は気楽でいいなあ。


4 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

ろなさん、でかい!
約1mもあるじゃないですか。
ネコ科の動物って感じですね。

審査お疲れさまでした。
京都の審査に来た院長と
京都御所の周りを歩いた日を思い出しました。
chica

ライネケ院長 さんのコメント...

<ライネケ>
Chicaさんが、ロナのボソボソ毛並みで癒されるよう、祈っています。
人は、思い出を作るために、生きているわけじゃないんだろうが、いつしか、思い出の中に生きるようになる。不思議なもんだな。

keiko さんのコメント...

長い待ち時間だったのに残念でしたね。
しかし、待ち時間に行った牟岐、実は私たち一家も子供が小さいころに民宿に泊まりに行った思い出の地です。が、この建物は存じませんでした。民宿の近くの海岸には無数のカニが出てきていたのを覚えています。

ライネケ院長 さんのコメント...

<ライネケ>
keiko様、
いつも書き込んで頂いてありがとうございます。
モラスコ牟岐の「モラスコ」というのは、軟体動物という意味らしいです。貝類は固い殻をかぶっていても軟体動物なんでしょうかね。
貝と言えば、足摺のさらに向こうの竜串にある「貝のギャラリー」というのがあって、これもChicaを抱いて何回も行きました。
いろいろな所をさまよい歩きましたが、大概、行き当たりばったりでした。それでよかったんだと思います。