Chikaさん、誕生日おめでとう。
夜になって、ネコパコ母さんが産気づいた。大学の職員宿舎から大学病院までは、ほんの数分。若かったライネケとネコパコの二人は、荷物を持って、職員宿舎から土手を越えて駐車場に上がった。駐車場を突っ切って、産科病棟の暗い廊下を肩を並べて歩いて行った。
産科病棟の詰め所の前で、ネコパコと別れて、ライネケは、一人、宿舎に寝に帰った。若い看護婦さんが、「何かありましたら、連絡しますから。」と言った、と思うんだけど。
「がんばれよ、ネコパコさん。」
翌朝、ライネケが産科病棟に行ったら、「無事に、お生まれになりました。」と言うではないか。「えええ?! 呼んでくれたら、夜中でも来たのに。」と思った。
そして、Chikaさんがうちにやって来た。不思議なことに、二人だったのが三人になった。一番最初の子で、我が家のはじめの元になってくれるといいと思って、この字を使うことにした。「もと」だとちょっともったりしていると思った。漢和辞典であたったら、名前用の読み方として「ちか」というのがあった。「ちか」という読みならいいな、と思ったので、それを採用した。
S 医大病院職員宿舎の庭で
名前は一生使うので、覚えやすくて、印象深く、含蓄があって、しかも、意外にそこいらにないのがいいと思う。何より、親が一生懸命考えてつけてくれて、子どもがそれを気に入って誇りを持ってくれる事が大切だろう。名前は大切だよ。
名は体を表す、というけれど、Chikaさんは、ちょっと、ちかちかした気性のようだ。時々、人を刺す。そして、自分をも刺してしまうみたいだ。人を、自分を、ちくちくと刺すようなことがあっても、Chikaさんのちくちくは大丈夫。
いろいろなことがあったけど、大きな病気もせず、みんなと仲良く大きくなって、元気で仕事をしてくれている。もっと、もっと、幸せになってほしいと願うばかりだ。
私たちは、私たちがこの世と思っている「世界」における、ほんのわずかな空間の歪みみたいなものだ。二つの歪みが一瞬間、すれ違って、宇宙のあちらとこちらに飛んで行ってしまう。そして、再び永遠の静寂に戻る。この世の出会いは、そんな紫色の火花のような、奇跡みたいなもの。許し合って、一瞬をいつくしもう。私のレスビア。
大岐の「明日への扉」に向かって駆けて行くChika
向こうに広がるのは太平洋
水平線の彼方に何がある?
4 件のコメント:
お誕生日おめでとう
救急の日、だけど僕にとってはもっと他の意味がある
ちょっとお祝いを言うのが遅くなったな・・・
だけど忘れてたわけじゃないよ
9月9日、僕の姉さんの生まれた日
お誕生日おめでとう
Haruno
げこ。
はっぴいばーすでい、姉者。
しかし、
別に言うべきことはなにもないのだ。
これからも元気で、
いつも他人に優しく、
大抵自分に厳しく、
そして時々自分に甘く、
気楽に、
生きてゆきましょう。
自宅療養中 gama
<ライネケ>
「他人に甘く、自分には厳しい。」がいいのか、
「他人に甘く、自分にも甘い。」がいいのか、
「自分に厳しく、他人にも厳しい。」がいいのか、だけど、
とにかく、
「他人には厳しく、自分には甘い。」というのはいかんよ。
「他人には甘く、自分には少し厳しい。」くらいがいいのでは?
つまり、がまそらの意見に賛成だな。
<ネコパコ>
実は「じゃあね」と帰ったそのあとから、初産はなかなか大変だったのですが、どんなに大変だったかは詳しく私もおぼえていない
もう一息というところで(だったのでしょう)陣痛がだんだん遠くなり、ふと目をあけると看護婦さんのでっかいお尻が私のおなかの上にあってびっくり
思えば馬乗りになって押し出していたんですね
なかなか出ようとしない恥ずかしがりやだったのか、押し出したり吸引したりで、頭蓋に浮腫がおこり、初対面のときにリンゴのネットのように頭に包帯して冷やしてもらっていたのが、思い出されます
忙しくて、ライネケを呼ぶなんて思いもしなかったな
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