2017年10月23日月曜日

台風クラブ <ライネケ>

昨日は超大型台風21号が静岡、東京を直撃し、東北方面に抜けて行った。2ヶ月前の台風のときは大潮も重なって、松前町でも、我が家の近くで床上浸水したところもあったそうだが、今回はたいした被害はなかったようだ。

昔、「台風クラブ」という題名の映画があった。
なんでも、日本の何処かの高等学校で、学園祭かなんかの準備だかで学生たちが学校に残っていたら、大型台風がやって来て、校庭まで水に浸かって、学校は孤立してしまう。帰れなくなった十名ほどの学生たちは、大きな校舎の閉鎖空間の中に閉じ込められ、一夜を明かす。他の学生たちとだけでなく、自分自身とも、まともに向きあうことになる。台風低気圧の重苦しい空気の中、逃げ場のないコンクリートの箱の中で、思春期の揺れ動く自我がぶつかり合い、孤立、相互作用、連鎖反応を繰り返し、正気と狂気の混ざり合った雰囲気が醸成され・・・。
そんな映画だった。なかなか面白かった。

窓を閉め切ったキツネコ邸の中にこもっていると、超大型台風ってどんなのを言うのかな?なぞと呑気なことを言ってられるが、夜の10時過ぎになって、松前と松山の間を流れる重信川の水位が上昇し、氾濫警戒水位に達したという。ほんの2時間ほど前まで、国土交通省の出している情報による黄色の「氾濫注意」だったのに、いつの間にやら水位が急上昇して、赤色の「氾濫危険」になっているではないか。

午後11時26分
重信川の「出会いの大橋」を下流側から見たところ
橋梁の近くまで水位が高まっている
いつもは、こんなに満々たる流れではない
狭い流れが底の石ころの間を流れているだけだ

前回の台風の時も、この川の水位が上昇した。物見高いライネケは、見に行きたかったのだが、大人気ないと思われるのは嫌だったので、見に行かなかった。しかし今回は、夜の11時だけど、見に行こうと思った。そしたら、ネコパコも行くといったので、ふたりして、まだ小雨が降り、風が強い真っ暗の中を、ルポに乗って、出かけた。怖いもの見たさなんて、とんだバチあたりの二人連れもあったもんだ。

大きな川の河川敷というのは、川床(低水敷)、増水時に冠水する平坦な土地(高水敷)、さらに両側の高い堤防よりなるそうだが、普段の重信川は、石だらけの川の底(低水敷)を二筋ほどの浅い流れになって流れているはずだのに、もう少しで堤防の内側の平坦な部分(高水敷)に溢れんばかりの増水で、濁流となって滔々と流れていて、怖いほどだった。

ライネケとネコパコは、暗闇のなかで、顔を見合わせて、すごいねえ、恐ろしいねえ、と言い合いながら、帰途についたのだった。

よく、年寄りのお百姓が、増水した田を見に行って、流されたなどというニュースが話題になるが、好奇心で、増水した川を見に行った奴が行方不明になっても、誰も同情してくれないだろうね。