春の雲は秋の雲ほど高くない気がする
まだ春霞で空気全体がもやっていない空は
牧歌的に浮かぶ綿雲が、殊の外美しいと思う
先日は、強風が吹き荒れた翌日の2月の空の美しさを堪能した
愛媛県壬生川河口 遠くにしまなみ海道 |
友人の訃報が倉敷から届いた
今から15年以上前、今よりももっともっと未熟な私は
いっぱい彼女には助けられた
6才年上のOさんは、よきお姉さんだった
こんな日が来る事を思ってもみなかったわけではない
2年前、小さながん細胞が肺に見つかった事を彼女の口から聞いていた
「なるようにしかならないの」彼女は穏やかに笑っていた
1年前、電話で話声を聞いた
ちょうど10年間にわたる責任のある仕事のかたがついたらしく
安堵感でいっぱいの、いつにも増して明るい声だった
「良い方向を信じて強く願えばいいの、不思議に叶うのよ
自分に与えられた仕事だと思ってね」
好きな山登りも旅行も楽しんでいるふうだった
「話聞いてあげるから泊まりにおいで」
そうだ、困れば彼女と話そう
私は迂闊だった
結局この1年間、面倒なこの問題は棚上げして埃をかぶらせた
相談に価する本気で困ることなど起きては来なかった
Oさんに会いに行くきっかけを作れなかった自分がはがゆい
昨日のお葬式には遠路であることに加え
tuperaワークショップのこともあり列席しなかった
家路に急ぐ時間帯は、晴天なら西日がまっすぐ目に飛び込み
いつも殺人光線!!と思う
この日も厳しい西日だった
細めた目に一筋の雲が見えた
太陽に向かってまっすぐに伸びるその雲は、けっして飛行機雲ではなかった
あわてて携帯を取り出して写真を撮った
彼女の魂が昇っていくんだなと素直に思えた
さようなら 私はここで貴女の事を思っている
あなたが残した言葉を思っている
さみしい 本当にさみしい
鉄塔左の電信柱あたりから伸びる縦雲 |