過日,薬缶を乗せたら沸騰しそうな頭を前後左右に振りつつ
船を降りようととしていたがま氏が西の空を振り返ると,
そこにはいわゆる「とわいらいとぞーん」が広がっていた.
うっかりすると吸い込まれそうな青い空間が,白い手摺の向こう
にあった.今にも,ネッシーやキャプテン・スパローがさらいに
来そうではないか!
もちろん,スパロー船長は美女しかさらわないに違いないが.
トワイライトゾーンでは,人はなんでも出来る.
願いさえすれば矢のように駆けることも,空を飛ぶことさえも可能だ.
一人のひとが,一生に何度遭遇するのかはわからない.
ずっとトワイライトゾーンのなかで生きる人もいるかも知れない.
普通の人は多分一度きりだろう.
判っているのは,全てが白日の下に晒される真昼と,
なんにも見えなくなる夜との境で,トワイライトゾーンは
ほんの一瞬しかこの世に扉を開かないということだ.
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ある時は原付のハンドルに無慮十数本の栄養ドリンクをぶら下げ,
またある時は即席麺をアパートの扉に貼り付け,様々な支援(私怨?)
を送り続けた結果,がまの同期の苦労人が今年やっと大学院に合格した.
紆余曲折,苦節3年,というやつである.
がまが一年浪人をして,今,修士2年であることから推しても,
それがいかに長く苦渋に満ちた道程であったか,判ろうというものである.
もう彼には後が無かっただけに,体を張ってエンターテインメントを
提供し続けてくれた彼に惜しみない拍手を送るものである.
そして後日,彼はがまのアパートの扉の前にこんなものを置いてくれよった.
「礼」と大書した紙が張ってあった.
18食入り,迷惑千万.
gama